「――これは『乳がん』だね。どの女性にも起こり得る病気だが、このまま放置しておくと……」
俺、シュウ・ミレイスターが異世界に転生し、辺境の村の老夫婦に拾われてから数年。
女神からプリーストというジョブを授かり、これまで村人に対して様々な治療を行ってきた。
今日も教会を訪れた患者の診察をしていたのだが、前世でも聞き覚えのある病名が告げられた。
それを診断したのは、俺の親代わりでもあり、この教会のシスターでもあるミゼット・ミレイスターだ。
「シュウくんなら……治せる、のよね?」
「ああ、俺に任せてくれ」
この村には若い女性が少ない。辺境ゆえに人の出入りがほとんどなく、高齢者が多いのだ。
その中で、目の前の村娘はまだ若く、二十代前半といったところだろう。
そんな彼女が、若くして『乳がん』という病に侵されてしまった。
ミゼットは光魔法である程度の治療は可能だが、治せるものと治せないものがある。
今回の場合、治せる可能性はあるものの、確実ではない――そう判断したらしい。
教会の小部屋には、俺とベッドに横たわる村娘の二人きり。ミゼットはこの場にはいない。
なぜなら――これから俺が彼女に対して他の人には見せられない治療を行うからだ。
俺が女神から授かったのはジョブだけではない。
それが〈完全解呪〉と呼ばれる、どんな呪いや状態異常も完全に治してしまう特別なスキルだ。
だが、このスキルにはデメリットがある。
それは――直接、体に触れなければ効果を発揮しないということだった。
俺は村娘に手をかざした。
それだけで、どこをどう治療すれば良いかが頭の中に流れてくるのだが――
「シュウくん、どうかな?」
「……言いづらいんだが、上着をめくって胸が見えるようにしてくれるか?」
「人を死に至らしめるような病はそうなっちゃうよね。でも、死ぬよりはずっといい」
俺に言われた通り、村娘は服をめくり――ブラをたくし上げて、その若々しいハリのある胸を露出させた。
「どう? 結構自信があるんだけど?」
「今はそういう冗談はいい」
「ああ、シュウくんにはアミリアちゃんに、マリーさんもいるもんね」
「そういうことじゃないが…………始めるぞ」
「お願いします」
彼女の冗談もそこそこに俺は両手を前に出し、そしてスキルを発動した。
「――〈完全解呪〉」
ぽわっと白く淡い光が灯り、彼女の胸へと両手を伸ばした。
〈完全解呪〉に指示されたのは『対象の胸を揉む』ことだった。だから俺はそれに従い、彼女の胸を揉みしだいしていく。
「んっ……はぁっ!? ……やっ、それ……激しいっ……こんなの、彼にも揉まれたことが……はぁんっ!?♡」
ちなみに彼というのはずっと昔に付き合っていた村の男らしい。
いつの話をしているのやら。
〈完全解呪〉の仕様なのか、俺の魔力が彼女の胸に流れ、より一層感じてしまうらしい。
痛みが伴わない反面、こうした快感を感じてしまうのもデメリットの一つだろう。
「く、はぁっ!? ……そこ、あぁっ!? 熱い……シュウくんの手が……胸を――あぁぁぁぁんっ!?♡」
長い治療の末、村娘の『乳がん』は完全に取り払われた。
彼女はお礼を言い、そして元気に教会を出ていった。
これが俺の治療の一つ――破廉恥な行為だと言われるかもしれないが、この辺境の村では皆に知れ渡っている治療の一つだった。
俺のことを『変態クソプリースト』と呼ぶ同い年のシスターもいるが、正直いって言い返せない。
《了》
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