百合華の超オシオキ 前編
突然のアクシデントに、明石悠は恐怖で固まっていた。同級生女子とイチャイチャしているところを、愛する姉に見られてしまったのだ。
「最近の悠は、気が緩んでいるようね。帰ったら厳しい躾が必要みたい」
冷徹でドSな瞳でそう言ったのは明石百合華。
長く艶めく黒髪に、どの角度から見ても美しい顔。突き出た巨乳と魅惑の脚線美を描く脚という、攻撃力高めなプロポーションをした女子大生である。
まさに完璧美人と呼ぶに相応しいだろう。
外では凛々しく女王のような印象なのに、実はちょっとズボラでポンコツ気味な、悠の義理の姉である。
「ど、どうしよう……」
先に帰る百合華の後ろ姿を見つめる悠に、中将貴美はニヤニヤしながら肩を小突く。
「やーい、怒られてやんの。後でコッテリ躾けられちゃいなさいよね」
イタズラな笑顔で笑う貴美は、一緒に買い物をしていた悠のクラスメイトだ。
ちょっと強気な顔に、瑞々しい肢体が印象のJCである。可愛いと呼んでも差し支えないのだが、ドSっぽい雰囲気が玉に瑕かもしれない。
「くっそ……だから怖いって言ったのに」
不安そうな顔でつぶやく悠に、なぜか貴美は目を輝かせる。
「ふふっ、悠ったら躾けられちゃうんだ。あれでしょ、プロレス技を掛けられちゃうとか?」
貴美は手をニギニギさせながら悠に迫る。
「ねえ、今度私が技を掛けてあげようか?」
「はあ!?」
もう貴美は本音が漏れまくっている。悠を攻めまくりたいのだろう。
「プロレス技よ。悠を押し倒して、こう尻に敷いたりとか。キャラメルスクラッチだっけ?」
「キャメルクラッチだろ。てか尻に敷くって……」
悠は『尻に敷く』というワードが気になって仕方がない。
「中将さんと結婚したら、確実に尻に敷かれそう。鬼嫁かな」
「失礼ね! け、けけ、結婚とか……あ、ありえないでしょ」
「だよね、中将さんと結婚とかありえないよね」
「ありえないって何よ! 悠のバカ!」
「えええぇ……」
自分から『ありえない』と言ったのに、悠が口にすると怒り出す貴美だ。ちょっと理不尽だった。
◆ ◇ ◆
悠が家の玄関を開けると、百合華がリビングから顔を出した。
「ユウ君おかえりー」
「た、ただいま」
悠は慎重な足取りで廊下を歩く。もう姉の機嫌は直ったのだろうかと。
すぐにそれは間違いだと気づくのだが。
ガシッ!
「ユウ君、さっきあの子とイチャイチャしてたよね?」
階段を上がろうとしていた悠の肩を、百合華は掴んで引き留めた。
機嫌は直っているように見えるが、オシオキは確定なのだろう。
「テッテレェ~♪ ユウ君、オシオキ決定」
「そんな効果音付きで言ってもダメだから」
「さっ、楽しいオシオキの時間だよ」
ズルズルズルズル――
悠は百合華に引きずられ、部屋に連れ込まれてしまった。もう逃げ場がない。
「ぬへへぇ♡ どうしてくれようか、ユウ君♡」
上気した顔の百合華が迫る。これから超エッチなオシオキをするのだと。
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