最終結果発表

• 大賞

  アースウィズダンジョン
  〜世界を救うのは好景気だよね

  バッド

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  現代社会に突如として無数のダンジョンが出現し、人々にスキルが宿るも、よくあるような冒険者という存在が定着することなく、増え続けるダンジョンによって何十年も前に経済圏が崩壊した世界で、スキルを鍛え続けてきた主人公が経済復興による世界救済を目論む、ポストアポカリプス系ローファンタジーです。コアストアの低ランク帯アイテムの現実的な活用や残機スキルによる変則的なバディアクションなど、魅力的な要素が多く、またメインの防人・雫をはじめ、個性豊かなキャラクターたちがそろっていて、ビジュアル化も楽しみな作品です。

• 金賞

  庭に穴ができた。ダンジョンかもしれないけど俺はゴミ捨て場にしてる

  ダイスケ

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  主人公の自宅の庭で見つかった謎の穴。いくらゴミを投げ入れても埋まることのないその穴に捨てるゴミを集めるため、脱サラして地元で営んでいたリサイクル業から廃棄物処理業へと転身し、会社を大きくしながら財をなしていくサクセスストーリー的側面が強いですが、その一方で、日々穴へとゴミを捨て続ける主人公に肉体的変化が起こり、やがて精神をも変質していく過程や、主人公の預かり知らぬ穴の奥底で蠢く何かが現代社会へと浸食していく展開など、コズミックホラー的な要素もあり、主人公と穴の行く末が気になる作品です。

• 銀賞

  悪逆覇道のブレイブソウル

  レオナールD

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  プレイヤーから蛇蝎の如く嫌われているゲームの悪役に転生したことから始まる今作は、「小説家になろう」内で人気の「悪役令嬢もの」に近い内容だと感じました。それでいながら、内容は非常に王道なファンタジーに仕上がっていて、悪役として振る舞いながらもゲームのシナリオを重視しながらも無意味な犠牲を嫌う主人公のキャラクター性や、彼の行動によって少しずつ運命が変わっていく過程の描写など、異世界転生ファンタジーとしても老若男女を問わず、ワクワクしながら読める作品だと思います。

   

  実質同居の幼馴染に振られて暗黒の高校生活を送り始めた俺が偶然、子犬を助けたらクラスで人気の美少女が彼女になった。「もぅ、こーへいのえっち……」

  マナシロカナタ（かなたん）

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  ひたすらにヒロインである春香が可愛い青春ラブコメでした。しかし、春香の可愛らしさだけがこの作品の魅力ではなく、幼馴染に振られたことがきっかけで自暴自棄になっていた航平が、春香の明るさと優しさを受けて前向きになっていく様子が丁寧に描写されている点も、とても素晴らしかったです。キャラクター性の高いライトノベルというよりも、関係性を重視した青春恋愛小説としての読み応えがある作品です。

   

  元農大女子には、悪役令嬢はムリです

  奏真

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  乙女ゲームの世界とは露知らず、悪役令嬢ポジションの公爵令嬢に転生したリケジョの行動によってシナリオが崩壊した状態から始まる恋愛ファンタジーです。ゲームのヒロインであったレーナの転生者視点での導入は、世界観の提示として非常にわかりやすく、そこから時系列を遡って本作の主人公であるユリア視点で描かれる本編は、もっとこの物語を読んでいたいと思わせてくれる魅力に溢れていました。終盤のざまあ展開も爽快で、登場人物たちの後日談もまた違った味わい深さがある作品です。

   

  王宮侍女アンナの日常

  腹黒兎

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  煌びやかな王侯貴族の世界の裏側を、侍女アンナのひとり語りで赤裸々にお送りする宮廷日常譚。貴族の下半身事情や禁断の女装会合などハードな事柄でも軽妙な語り口で非常に読ませる魅力がありました。侍女なのに清掃仕事しか振られなくてもあまり気にしていないポジティブなアンナをはじめ、個性的なキャラクターが多く、もっとこの世界を堪能したいと思わせてくれる作品です。